強引な彼との社内恋愛事情*2
おまけ
暑すぎるベッドの温度で目がさめた。
隣を見ると、ぐっすり目を閉じて眠る広重。
軽く頬に触れてみるけど、嫌がる素振りも見せない。
スマホに手を伸ばすと6時を過ぎてる。
結局、休みといってもこんな時間に起きちゃうんだ。
喉が渇いたから、キッチンに行こうと、片腕をついたときだった。
「きゃっ」
驚いた声をあげてしまったのは。
広重の腕は、私の腰を動けないように捕まえる。
それどころか、そのまま腕の中に押さえ込まれてしまった。
「びっ……くりさせないでよ」
寝たふりをしてた、なんてやられた。
「はい」
「じゃあ、離して」
「はい」と、返事だけはいいのに、腕の力はますます強くなるばかり。
おまけに、んーっと、力んでるような声をあげはじめるから、なんだか可愛くて笑えてくる。
そこで、ようやく「千花さん。なに笑ってるんですか?」と、腕の力を弱めた。