強引な彼との社内恋愛事情*2
「はい?」


「気にしないでいいからね」


大丈夫な振りをした。私の不安を広重に伝えたくないから。


気を抜いたら、きっとわかってしまうだろう。


広重のことだから、また、気にしてしまうはずだ。


私が、我慢すればいいんだ。


このくらいのこと、大丈夫。


ただ、広重に悪い噂がたつのは嫌だ。そればかりは、我慢できないだろう。


「千花さんの声、聞けて、安心しました」


おやすみと、言って電話を終わらせた。


〝遠山さんの声、聞けて嬉しかったです。〟


なぜか、この前の電話の谷くんの声と被って聞こえた。
< 171 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop