強引な彼との社内恋愛事情*2

今日は、少女漫画を読まずに、コンビニ袋を持っていた。チョコレートが入ってる。


「あ。お疲れ」


「お疲れ様です」


「また甘いものばかり食べて」なんて言ったら、「あ。彼女に」と言った。


「え?」


もう新しい彼女ができたの?と驚いた。


「そっか。おめでとう」と、拍子抜けしてしまう。


若いっていいな。違うか。切り替えが早くていいな。たぶん、こういう性格なんだろう。


世渡り下手な私から見れば、羨ましいくらいだ。


「めでたいですかね」


「めでたいじゃない?」


「そうですよね」と、ちょっと元気がない。


「遠山さんもひとつ食べます?」と、谷くんが言った。


「え?」と訊きかえすと、袋の中から手渡された。


この前はハーゲンダッチュだったのに。何個買ったんだろう。


受け取るしかなく、「ありがとう」と言ってみた。


「なんか、あった?」と、なんとなく、そんな気がして訊いた。


仕事のことで悩んでたり、とか?
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