強引な彼との社内恋愛事情*2
「は?」
「って、たまに思うときがあります。気持ち悪いですよね」
「谷くん」
「はい?」
「彼女のこと、好きなの?」
「好きですよ」
俺、誰でも好きなんです。と笑った。
そんなわけないのに。だから、さっき言ったことも忘れてください。とも。
「もう、忘れた」
「じゃあ。広重によろしく」と、言って立ち上がった。
チョコレートなんて、甘くない。
一度、振り返って、「誰にも言いませんから」と、だけ言った。
どうしてだろう。寂しくなった。