強引な彼との社内恋愛事情*2
ぼんやり見えて、わからなかった。


だからか、「わかんない。辞めるかもしれないし」と、呟いていた。


「え?」


「仕事は好きだし、前だったら続けたいとか思ってたけど」


「なにかあったんですか?」


「なにもないよ。たぶん、水谷さんが思う程、私、かっこよくないだけだよ」


「え」


「かっこよくないから。本当、普通すぎ」


「遠山さん?」


「頑張ってる水谷さんのほうが、かっこいいじゃない?」


本当にそう思った。


スマホが鳴動した。広重からのメールだった。


[明日、終わったら連絡してくださいね。今日も会いたかったです]


そう書かれていた。


戸惑いながら、やっぱり、広重の好きで心が満たされていくのがわかる。


支えてくれる人がいるというだけで、仕事に対しての意識が変わってしまうなんて。


それは、自分でも受け入れ憎い変化だった。
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