強引な彼との社内恋愛事情*2

「なんだ。家で食べたかったなら、私が作ったのに」


「ダメですよ」


「なんで?」


「千花さんが、料理してたら、話せなくなるでしょ?」


「そんなことないでしょ」


「だって、料理の最中にこんなことしたら、怒るし」と、私をギュッと抱きしめた。


「うん。確かに、それは邪魔って言うかもしれない」


「でしょ?」と、言って、千花さんを腕の中に閉じ込めておきたかったから、と、キスをした。


「独り占め」と、嬉しそうに笑う。


広重の首に腕を回して、私からキスをした。


それに応えるように、舌が優しく絡み合う。


リップ音が響く部屋の中、広重はそっと、私の太ももに触れるから、慌てて足を閉じた。


「どうしたの?」と囁くから。


ううん、と首を横に振った。


それから、また太ももから付け根にまで触れた。


「ダメ」


「え?」


そう言ったけど、遅かった。


触れられてしまった。
< 197 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop