強引な彼との社内恋愛事情*2
「なんだ。家で食べたかったなら、私が作ったのに」
「ダメですよ」
「なんで?」
「千花さんが、料理してたら、話せなくなるでしょ?」
「そんなことないでしょ」
「だって、料理の最中にこんなことしたら、怒るし」と、私をギュッと抱きしめた。
「うん。確かに、それは邪魔って言うかもしれない」
「でしょ?」と、言って、千花さんを腕の中に閉じ込めておきたかったから、と、キスをした。
「独り占め」と、嬉しそうに笑う。
広重の首に腕を回して、私からキスをした。
それに応えるように、舌が優しく絡み合う。
リップ音が響く部屋の中、広重はそっと、私の太ももに触れるから、慌てて足を閉じた。
「どうしたの?」と囁くから。
ううん、と首を横に振った。
それから、また太ももから付け根にまで触れた。
「ダメ」
「え?」
そう言ったけど、遅かった。
触れられてしまった。