強引な彼との社内恋愛事情*2

「千花さん」


いつもなら、キスをして、胸に触れて、と順を追って触れてくるのに。


急に、触れてくるなんて。


「凄いですね、ここ」と、言われて、恥ずかしくなった。


キスするだけで、広重を受け入れられる身体になってしまう自分が。


「だから嫌だったんだ?」


そう言われて、頷いてしまう。


「千花さん、したかった?」


「え」


「したかった?」


「そんなこと」


広重の指先から、与えられる快感に、身をよじってしまう。


「うん。したい」と、言ったら、「ベッド行く?」と、私を抱き上げて連れて行った。


いつも支えてくれてる、この腕をやっぱり離したくないって、ぎゅっとしがみついた。


「千花さん、どうしたの?」


ベッドに私をおろすと、ふふっと笑った。


私は泣きたくなって、「なんか大切だなぁ、と思って」と、呟いていた。
< 198 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop