強引な彼との社内恋愛事情*2
チラっと横目で見ると、ばつ悪そうな顔をして口を閉ざした。
「なにか、あったの?」
「いや。別に」
「忘れ物のほかに何か思いだしたことでもあるの?」
「いえいえ。大丈夫です」
言う気はないらしいくせに、しまった、とか言わないでほしい。
なんとなく、気になってしまうから。
「いや。遠山さんとエレベーターで2人きりになるから、緊張するなと思って」
「え?」
「それだけです」
「なにそれ」
意味わかんない、と心で呟く。
「だって」と、谷くんは言った。