強引な彼との社内恋愛事情*2



生理がこなくなってから、さらに一週間が過ぎた。


さすがに気になってきたけど、休日が土日って、病院に行きたいとき、ひどいんだよね。


パソコンの前に座って、近くの産婦人科の病院を検索するけど、土日は受診が休みになっていた。


午後、半休でももらおうかな。


簡易キットで検査、とも思ったけど、陽性なら陽性で結局病院に行って、二度手間だし。


やっぱり、病院に行くべきだろうか。


陽性だったら、どうしよう。


と、考えてみたけど、広重の笑顔しか浮かばなかった。


喜んでくれるんじゃないかなって、そんなこと思えた。


だけど、異動が決まったばかりだし、出来れば、もう少し仕事が落ち着いてからにしてほしい。


出来てたら、私も嬉しいことには間違いないけど。


「……って、ここで悩んでも仕方ないじゃない」と、呟く。


広重は、今日、家に来る約束をしていた。丁度の時間に、インターフォンが鳴る。


「こんばんは」と、いつもと同じ笑顔だった。


「寒かった?」


「寒い」と、冷え切った両手で、私の頬をはさんだ。
< 227 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop