強引な彼との社内恋愛事情*2
「本当に?」
「でも、わかんないから。妊娠とかじゃないと思うし。いちおう、他の病気とかだったら困るからさ。行くだけ、行こうかと思って」と、早口で言った。
困らせたくなかったから。
「え?妊娠じゃないんですか?」
「いや。だから、わかんないってば」
「俺も、一緒に行きますよ」
「ううん。それは、大丈夫」
「だって、心配じゃないですか」
「でも、一緒に行って、妊娠してなかったら、なんか大げさだし」
「そんなことないですよ。だって、俺、心配だし」
「いい。ひとりで行けるから。変な心配しないで。楽に考えてよ」
「そうですか」と、言う広重は、いつの間にか、私の目に前に立っていた。
「やばいな」と、一言、漏らすように呟いた。