強引な彼との社内恋愛事情*2

「え?」


「今、千花さんが妊娠してたらいいのになって思っちゃいました」


「なんで?」


「そしたら、千花さんを独り占めできるから」


そういって、私を抱きしめた。


「広重。私が妊娠してたら、独り占めできないよ?子供ばっかり、可愛がっちゃうから」


「えー。俺のことも可愛がってくださいよ」


「子供のほうが、可愛いに決まってるもの」


「本当?そっか」と、言う。


それから千花さんと、生真面目なトーンで言った。


「もし、子供がいたら、産んでくれますか?」


「え?」


「俺の子がここにいたら、産んでくれますか?」


そっと、お腹を撫でた。
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