強引な彼との社内恋愛事情*2

「寂しいと言えば」


「はい?」


「広重、急に遠山のこと、なにも言わなくなったな」


「え?」


「ほら。あいつ、千花さん千花さん騒いでたじゃねーか?だから、異動になって寂しがってるはずだと思ってたんだけどな。さっぱり。今日だって歓送迎会に顔だすこと言ったら、そうなんですか。よろしく言っててくださいって、あっさりしてたし。前だったら、羨ましがられたはずなのになー」と、笑った。


「あ。なんか、広重、彼女ができたとか訊きましたけど。噂で。あれなんですよ。別に私のこと好きとかじゃなくて、そういうこと、ただ言って騒いでいたかっただけなんだと思いますよ」


「そうか?俺は、本気に見えたんだけどな。あれか、諦めたのか。あいつ」


「諦めるも何も」


「それでいいのか。遠山?」と、田原さんは言った。
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