強引な彼との社内恋愛事情*2










待ち合わせしたのは、駅前のイタリアンのお店だった。


水谷さんは、チャイナブルー。私はピーチサワーを頼んだ。


「すみません。なんか気を遣っていただいたみたいで」


そう言われると、心苦しかった。本当は、広重の本音が知れたらいいなっていう、下心があるから。


たぶん、彼女を口説こうとする村上くんより、たちが悪いと思う。


「えっ?全然気を遣ってないけど?」


だって、私が水谷さんと食事したかっただけだし。


「なんか泣いちゃいそうです」


「なんで?」と、その反応が大げさすぎて笑えた。


私の部署の話や、ヅラ課長の結婚の話をして、頼んだお酒は2杯目になる。


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