強引な彼との社内恋愛事情*2

「そうですか?」


「なんか世渡り上手っていうか。愛されキャラみたいな感じがするけど」


「まさか」


「うん。だって、羨ましいとか思ったことあったもの。私には、そういう部分ないから」


「え?」


「私は水谷さんみたいには、なれないから」


言いながら、本当にそうだな、と思った。


こんな可愛い感じの女の子になってみたいなと、ひそかに憧れたりしてみても、やっぱり私にはなれそうにない。


私はこうして、むっつりしてるのが、似合う気さえする。


私らしいんだろうな。素っ気ないとか。一見サバサバして、姉御肌みたいに思われがちなとことか。


急に肩の力が抜けた。


私、なに馬鹿なことを訊こうとしてたんだろう。彼女に。関係ないのに。


少なくとも彼女が褒め続ける私は、こんなウジウジとした私ではないのだろう。


もう少し背筋を伸ばして立って凛としている。


きっとそんなイメージ。


そんな女性を自分と重ねて見てみたけど、やっぱり違くて。


だけど、そうありたい気もする。


なら、ちゃんと彼女と向き合って言ってみたくなった。
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