強引な彼との社内恋愛事情*2
「千花さんが、俺と付き合ってること、内緒にしたいって思ってるくせに、どうして気づかないんですか。嘘だって。そこで疑うのが、俺の気持ちだなんて心外すぎます」
「疑ったし、信じようとも思ったけど。わかんなくなって……それに、今日、怒ってるし。女の人と帰ってくるし」
「あの人は、お隣さんですよ。そこの信号で一緒になって、帰って来ただけです。それに怒ってたのは、千花さんが、今日、俺をシカトしたからに決まってるじゃないですか。というか、最近、冷たかったのは千花さんでしょ?」
「……」
「俺、勝手に焦ってましたよ」
「え?」
「あっちの部署に、心変わりするほどいい男でもいたのかと」
急に冷たくするから、と。
「けど」と笑った。