強引な彼との社内恋愛事情*2
「だってその人、田原さんのお墨付きですから」と、真顔で言うと、はっ?と大きな声をあげて、しばらくして、口元が笑った。
「お前。もしかして」
「さあ。どうでしょうか」
「いや、絶対そうだろ?」
「さあ。どうでしょうか」
ケラケラと楽しそうに笑った。
「なにかおかしいこと、ありましたか?」
「いや。女ってわかんないなって。嫌いとか言ってるうちに、付き合ったりすることあんだなーって」
「さあ。どうでしょうか」と、しらを切ってみると、「じゃあ、今度。あれだな。遠山と、遠山の彼氏と、ミーティングだ」と、言った。
「なんのですか?」
「いや。俺が仲人とかになっちゃうんだろ?」
「頼みませんよ」
「失礼な奴だな。いやー。なんか部下2人に裏切られた気がするな。隠してたんだろ、お前ら?まあ詳しいことは、ミーティングで訊くわ」
「田原さん」
「ん?」
「言いふらしてもいいですよ」