強引な彼との社内恋愛事情*2
「良かった」
「でも……。びっくりした」と、ようやく、広重のくれたエンゲージリングに視線を落とした。
永遠を誓ったんだ。この一瞬で。
「千花さんが、妊娠してるんだって思って。俺、先走っちゃって。実は、すぐに買いにいっちゃったんですよ」
「はっ?」
その視線の先は、私の手元。ああもう。なんか、真っ直ぐすぎるよ。疑う余地もないとは、こういうことなんだよね。
「でも、どういうきっかけであろうと、気持ちは変わらないです。一緒にいたいって思ってましたから。だから、今、言っただけで」
そう言って、笑う。
本当に嬉しそうに笑うから。
その顔を見て、私がどれだけ嬉しくなるか、わかってないんだろうな。