強引な彼との社内恋愛事情*2

私だって、と思った。


だけど、私の胸元に頭を乗せると、スースーと寝息を立てて眠る。


母乳を飲み終えた赤ん坊か。


もう言いたいこと、全部言ってない。


ううん、言えない。


だけどね、赦してしまいたくなる。


誘わなかったことに理由があるなら。


水谷さんとばかり話していたのは気になるけど。


こんな可愛いヤキモチを妬いてくれるのならば、いいかなって。


そうして、本音を隠したって、人と付き合っていけることくらい知ってる。


ううん。


そうやってしか人と、付き合ってこなかったんだ。


そうやってしか、人と付き合えないんだ。


どれだけ、好きな人だとしても。


嫌われたくないから、余計だ。
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