強引な彼との社内恋愛事情*2

「あ。お疲れ様です」と、綺麗な瞳を私に向けた、水谷さん。


「お疲れ様です。あっ。千花さん。今日、ランチどうですか?」と広重は私を誘った。


「ランチ?」


「水谷っちも一緒に」と言うから、「ああ。それならいいよ」と返す。


水谷さんは含み笑いを広重に向けていた。


会社の近くにある梶間食堂に向かう。日替わりランチを3つ。今日は、サーモンフライ。


私が行かなくても、広重は水谷さんと一緒に行ったのだろうかとお茶をすすりながら考えた。


「そういえば、社員旅行ですね」と、言ったのは水谷さん。


そうか、そんな季節か。一泊二日の温泉旅行なんて、色気のないイベント。


去年は不景気のせいか、なかったからほっとしていたというのに、今年はまたもや開催されるらしい。

それに行くくらいなら、2連休をくれたほうがいいのに、と思ってると、広重が「千花さん楽しみですね」と笑いかけてくれるから、少し思い直してしまいそうになる。
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