強引な彼との社内恋愛事情*2
夏の夜の、瞳
社員旅行の当日。集合は駅前の東口だった。大型のバスが2台停まっていた。
早朝にもかかわらず、おはようの声が明るく飛び交う。
早めに到着した私は、ひとりでそんな景色を窓から眺めていた。
「おはよう」と私の隣に座ったのは田原さんだった。
「おはようございます」
配られていた座席表。隣が田原さんと書いてあってほっとしていたところだった。
「お前、寝れたか?」
「えっ?」
「なんか顔色悪いけど」
「そんなことないですよ」
「まあ、着くまで寝てればいいよ」と自分の椅子を軽く後ろへ倒した。