強引な彼との社内恋愛事情*2
「朝からウザいな」と田原さんは手で追い払うようにする。
「なんなんすか?田原さん。俺、なんかしました?」
「二日酔いだから、騒ぐなよ」
「俺、悪くないじゃないですか!」
なんで2人は仲がいいんだろう。こういうとき、すごく困る。
目の前でこんなやりとりをされると。
「悪いな広重。遠山の隣、俺で」
広重が私に片思いをしてると思っているから、茶化すように言うんだけど、それも困る。
広重も、あわせるように「本当ですよ」と声に出して笑う。
本当は、もうどうだっていいかもしれないのに。
「タバコとこの席交換してやるか?」
「まじすか?あー。でも、俺、タバコ持ってるわけないじゃないですか」
「後払いでもいいぞ」
笑いながら奥へ歩いていった。あっさりとしたその態度。
どうでもいい、と言われたみたいで、気分は益々落ち込んでいく一方だった。