強引な彼との社内恋愛事情*2
おまけ
指先になにか触れてる。
うっすら目を開けると、私の隣で眠っていたはずの広重が起きていた。
腹ばいになったまま、私の指先に触れている。
それが、くすぐったくて。
それなのに。まるで、目の前にパソコンでもありそうな、仕様書とでも向き合っていそうな、真剣な横顔。
「寝れないの?」
声をかけると、驚いてから、はにかんだ。
「起こしちゃいました?」
「……ううん。どうしたの?」
「ん。なんか、綺麗な手だと思って」
「なに言って……」
恥ずかしくて、顔を背けようとした。だけど、それよりも先に、広重が私の頬に頬をくっつける。
何度も頬をすりあわせる。
「千花さん。可愛すぎます」
そう言うけど、餌を欲しがる猫みたいで、広重のほうが可愛いよ。
わかってない。