強引な彼との社内恋愛事情*2
「それに、どうせ行くなら千花さんも一緒がいいから」
「盛り下げちゃうだけだし」
「盛り上げる人だけが必要じゃないでしょ」と言うと、有無を言わせないみたいに、私にキスをした。
「千花さんが楽しんでくれるように、俺が盛り上げますから」
「そんなことしたら、バレちゃうでしょうが」
「バレちゃうようなことしませんよ。なに考えてたんですか?」
「しつこく話しかけてくる広重」
「なにそれ」と、色気ひとつない発言のせいか、少しがっかりされた気がした。
「ていうか、みんなで行くより、2人で行きたい」
そう言うと、すごく嬉しそうな顔をした。
「気が楽だからってことよ」と、付け加える。
「じゃあ、そのときは水着解禁で。いや、でも誰にも見せたくないから、やっぱり……」と、私の言葉を受け流しぶつぶつ呟きだす。