死にたがりの私と 生きたがりの君
あまりの衝撃に、
頭が追いつかない。
涙さえ、流れない。
「ずっと…………秘密にしてたんだね」
「──ごめんね」
「────ううん。
気付かなかった私も鈍いっ言うか……
もし私が気付いてたら…………」
いま思えば、勘づくきっかけは
たくさんあった。
ふとしたとき、
河原の向こうを見詰める楓。
その淋しげな瞳の先に
何が映っているのか、
どうして確かめられなかったんだろう。
そしたら…………こんなに…………。
「私はこんなに苦しまなくて
済んだのかな…………」
────私、何言ってんだろ………。
苦しんでるのは、
楓の方なのに……。