死にたがりの私と 生きたがりの君
楓に貰った温度は、
太陽にだって負けない。
「私が、守ってあげるからね」
そう笑って、思いきり楓を抱き寄せた。
寂しげだった楓の瞳が、
揺れている。
楓の腕に力が入って、
私を精一杯抱き締める。
「もう二度と離さない」
耳元でそう呟いたのが聴こえた。
「忘れてた。俺は
真っ正面しか向けない奴だって」
「…言えてる」
「2ヶ月前、想像もつかなかったことが
今、実際に起きてるんだから」
もう、偶然なんかじゃないね。
「半年後の運命なんて
いくらでも変えてやるよ」