死にたがりの私と 生きたがりの君
楓の病室の隣にはテラスがあって、
あの河原が一望できた。
川沿いの街灯が
ぽつりぽつりと灯り始めるのを
ただぼんやり眺めていた。
「───お待たせ」
暫くすると、透析を終えた楓が
壁をつたいながら歩いてきた。
ふらふらとよろけた
楓の小さな身体を咄嗟に支える。
「大丈夫?楓」
「──平気、ごめん。
透析の後はいつもこうなんだ……」
テラスに置かれたベンチに
二人で座ると、
貧血で楓がよろけて
自然と私が膝枕をしているような
状態になる。
────わ…………これ
……………すっごいドキドキする……!