死にたがりの私と 生きたがりの君
未来の約束
美桜side
大雪が降る2月。
今日は雪で学校が短縮日課だった。
いつもより早く楓の病室へ行くと、
そこに楓の姿はなかった。
───あれ?
どこ行ったんだろ…?
雪が降ってるんだから
庭ってことはないだろうし……。
単にトイレとかかな?
そう思って待ってみても、
一向に楓は戻ってこなかった。
おっかしいなぁ~?
不思議に思って探しに行こうと
ドアを開くと、そこには男の子がいた。
「君は………あ!翔琉くん!」
「おーっ!覚えてくれてたんだなっ」
タメ口……
まぁ、構わないけどさ。
「あれ?楓いねーのかよ」
「あ、そうなの。
ずっとまってるんだけどー」
「テラスは?」
ここへ来るとき通ったけど……。
「居なかったよ?」
「じゃあ、あそこだな。いこうぜ」
「あそこ?」
少し前を歩き出した翔琉くんは、
私の疑問に、呆れ顔で振り返る。
「美桜さん、彼女なのに
知らないのか!?」
知らないって………?
「なにを?」
翔琉くんは、やれやれと
大きな溜め息を吐いた。
「じゃあ、ついてきてっ」
半信半疑のまま、
私は翔琉くんの背中を追った。