死にたがりの私と 生きたがりの君



足元が覚束ない楓は、
色んな所に掴まりながら歩いていた。


「大丈夫、具合悪い?」


そう言えば、今日は会ったときから
顔色が悪かったし、
触れ合った腕は、異常に温かかった。

熱があったのかも………………。



「大丈夫だから……心配しないで。
先を急ごう」


大丈夫な人の歩き方とは
思えないけど………。

……………よし!


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