死にたがりの私と 生きたがりの君
















「ただいまっ!」

玄関先でそう叫ぶと、
楓が台所からひょっこり顔を出す。



「おかえり」


「いいこにしてた?」


「母親かよっ!
───美桜が観たいって言ってた
ドラマ録画しといたよ」


「本当っ!?」


ぱぁっと明るくなった
守りたいその笑顔。

狂おしい程に、好きだよ。





だから、これは衝動。




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