死にたがりの私と 生きたがりの君
「美桜…………………」
名前を呼ばれ、振り返る。
それよりも早く。
俺は彼女の細い腕を強く引いた。
脱臼するほどの力強さで、
俺は美桜を床に押し倒した。
「……か………えで……?」
戸惑う君の瞳に、
火照る俺の顔が映っていた。
そのまま俺が焼き付いて、
離れなければいいのにと
本当に思う。
「……………約束が欲しい」
やっと、絞り出した言葉。
「約束…………?」
「何があっても離れないって
引き離せない約束を……」
静かな部屋だから、
通う音は俺と美桜の吐息ばかり。
「美桜が欲しいんだ。
美桜を奪って………
俺を焼き付けてやりたい」
そして、美桜も
俺を奪ってよ。
焼き付けてよ、俺の全部を。
その、身体に────────
俺を、まっすぐに見詰めた瞳。
ゆっくりと開いた唇。
「…………………いいよ」
それは、合図だ。
始まりのキスを交わしながら、
痣だらけの左の手で
君のシャツのボタンを、
上から外していく。
そして、この唇は
君の額に、
首筋に、
がら空きの両手で
君を暴く。
熱を帯びた想いを
君の奥深くまで押し込みたい。
噎せ返るほどの愛で
俺を濡らして?
数えきれない愛しさを
俺の運命ごと、君にあげるよ。
君の為なら俺は死ねる。
君が望むなら、
この命果てる時まで
傍に居よう。
例えそれが、明日でも──────