死にたがりの私と 生きたがりの君


彼は私の正面に回り込んで、
私の顔に水をかけた。


「付き合うよ」



「ちょと……………何するのよ!?」


いい加減にしてほしい。
なんなのこいつ!



すると、彼は突然
私の胸ぐらを掴んだ。




「あんたこそ 何する気だよ」





その抑揚もない低い声に、
思わず恐怖を覚えた。


「いいか、教えてやるよ
人ってな、どうしても
いくら死にたいって願えば願うほど
生きていることを忘れてないんだ……!
死にたくないって思ってここにいるのに
生きた心地もしないような奴も
……いっぱいいるんだよ……」


彼は俯いたまま、そう叫んだ。
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