死にたがりの私と 生きたがりの君



…………生まれたから
………………生きていく

その言葉が脳裏を離れない。




そしてその華奢な身体を
思わず抱き締めた。



そうでもしないと……
水に弾けて
消えていってしまうんじゃないかって
何故か不安だった。


「……………………ごめん……」


「………うん」


「ごめんなさい…………っ」


少しでも、
死にたいだなんて思ったこと。


生まれたから生きていく。


そんな当たり前のことも
投げ出そうとしたこと。



「…………………うん」




気付いたら涙が溢れていた。


初めて、誰かに愛された気がした。
< 17 / 207 >

この作品をシェア

pagetop