死にたがりの私と 生きたがりの君
美桜side
委員会が長引いて、
今日はいつもよりちょっとだけ
遅い時間に楓の病室に行った。
すると、先客あり。
「翔琉くんじゃん」
「美桜さんじゃーん」
翔琉くんは相変わらず元気だなぁ。
「あれ?楓寝てるー」
「ああ、話し込んでたら疲れて
寝ちまったよ」
話し込んで……?
「なんの話?」
「男と男の話」
「ふぅん…………」
なんか、これ以上
突っ込むのも違うな。
「じゃ、美桜さん来たから俺帰るわ」
「あ、うんバイバイッ」
翔琉くんと楓が何話してたのか
気になることには気になるけど
まぁ いいか。
二人きりになった病室で、
私は、ベッドサイドの
パイプ椅子に腰をかけた。