死にたがりの私と 生きたがりの君
そのとき

美桜side





いつものように楓の病室に向かって
廊下を歩いていると、
久しぶりにユキと会った。


「久しぶりやな!美桜」


「久しぶりだねーっ何してたの?」


「テスト前で病院に来れなかったんよ」


「───と言うよりか、
楓が来させてくれへんかったんやけど」と
ユキは相変わらずの可愛い笑顔で
苦笑いした。

そんなユキの手には、
何故かペットボトルの
ミネラルウォーターが、2本。


「ユキ、なにそれ?」


「ああ、カエちゃんに頼まれてな。
ついでにウチのも買った。
ついでだから美桜、届けてくれん?」



「構わないけど…」



「カエちゃんは今日はなんか
調子悪くてな……
起き上がれんと思う」


「えっ……そうなの……」



心配……だな………………。



「おっと…あかんで、美桜」


唐突に笑いだすユキに
首を傾げた。



「えっ……?何が?」



「カエちゃんの前では
そんな顔したらあかんで」



「あっ……………」




そっか、そうだよね…………。

私、強くなるって
決めたんだから。




「ありがと、ユキ。私行くねっ」



きっと

私には、私にしか
出来ないことがあるんだ。



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