死にたがりの私と 生きたがりの君
最初の記憶
美桜side
人生最初の記憶は、
お酒と香水の匂い。
肩からずれ落ちる
気だるそうな真っ赤なキャミソール。
うつ伏せの巻いた金髪。
きっと、あの人は私のママ。
あの頃の記憶は曖昧で
不確かな事も多い。
だけど、確か私にはパパが二人居て
新しいパパとママの間には弟が居た。
まだ言葉もわからない程に小さな、
生まれたての弟。