死にたがりの私と 生きたがりの君
「───で?」

「えっ?」

「待ってるの?
今でも、お母さんのこと」

予想外の反応に思わず呆然とする。

だけど、嫌な気は全くしなかった。

同情するでもなく、
軽蔑するでもなく、
"そっか"と投げ捨ててくれたことが
堪らなく嬉かったから。

楓になら本音が言える。


「…………そう、かも」



きっとそうだった。

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