死にたがりの私と 生きたがりの君
いつでも…………
途端に嬉しくて堪らなくなった。


「まぁもし、大人の目をくぐって
出られたらだけどな?
あのおばさん、怒るとマジ恐いの!」


と、恐いおばさんについて
熱く語り始める楓。


「……なにそれ~っ」


ころころと移り変わる
彼の喜怒哀楽の表情。


すると、その瞳がまた優しく細められて
まっすぐ私を見詰めた。

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