死にたがりの私と 生きたがりの君


「あれ、カエちゃん?」




突然最後から響いた
女の子の声が、私の思考を遮る。

振り返ると、そこには
ショートカットの可愛い女の子が居た。



「……え…ユキちゃん?!」



楓はとても驚いた様子で
彼女をそう呼んだ。



「「久しぶりーっ!」」



わ、揃った。息ぴったり!


「──やなくて!
カエちゃんどないしたん?!
まーた抜け出したんやな?!」


「ほっといてくださーい」


「いやいやいや!あかんて!
ウチがおった時は助けられたけど
もう誰もおらんよ?!」


「大丈夫だもん」



関西弁を喋る美少女と
ふて腐れた子どもみたいな楓で、
私にはわからない世界の会話が
繰り広げられている………。


ってあれ?


二人の会話には全
くついていけないけど、
彼女の発言に少し疑問が芽生えた。


「………ねぇ、楓」

「なに?美桜」




「楓の孤児院は、
昼間でも外出禁止なの?」




私の質問に、楓はポカンとした。




───ん?私なんか変なこと言った?




しばらくすると楓は
焦ったように立ち上がり、
彼女の腕を掴んだ。


「ご、ごめん美桜!
ユキちゃんと話があるから
少し待ってて貰える?」


「?いいけど……」


「え、ちょカエちゃん?!」


楓は彼女の腕を引いて、
慌てた様子で走っていき
ギリギリ私に声が聞こえない
距離までいったとこで止まった。




なんだろ………………



てゆうか、
彼女は楓のなんなんだろう。


すごく仲がいいみたいだけど……………。

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