死にたがりの私と 生きたがりの君
「それじゃあ……アンタまさか!
あの子に…あのこと
打ち明けてないんか!?」
そう咎めると、
楓は罰が悪そうに視線を逸らしながら
笑って頷いた。
「笑い事じゃないやろ!?
アンタ正気?!」
思わずカエちゃんの
両肩を強く掴んだ。
「あの子、大事な子なんやないんか?!」
さっきまでの笑顔は消えて、
俯いたカエちゃんは
冷たく低い声で言った。
「大事だから言わないんじゃないか」
表情は読み取れなかった。
「あいつ…死のうとしたんだ」
カエちゃんの言葉に
ハッと息を飲む。