死にたがりの私と 生きたがりの君
今日も………既読ついてない。
何度も確認してしまうトーク画面。
既読なんかされてないのに。
毎日行ってしまうあの河原。
誰も居るはずないのに。
制服だということも忘れ、
河原に座り込んだ。
1月の、枯れた芝生。
あの土が少し抉れた場所は、
あの日川に飛び込んだ楓が作った。
──ねぇ聞いてる?死ぬの?
──俺、自分を可哀想だなんて
思いたくないから
───何言ってんの
美桜だって変われるよ
──今こうして、生きてるから
美桜と肩を並べてるから
──それだけで嬉しいんだ
─────…………うそつき。
だったら会いにきなさいよ、ばか……。
いつでも駆けつけるって
言ったじゃない。
「会いたいよ………楓……っ」
力もなく零れだした言葉。
涙が溢れだすのを必死で
堪えていた。
その時。
誰も居ない河原に、
着信音が鳴り響く。
【着信*楓】