死にたがりの私と 生きたがりの君
だけど少し…………掠れたような。


「楓…………なの?」



『──うん。当たり前でしょ
俺の携帯なんだから』


そういう楓は、やっぱり
笑っているのかな。



「何やってたのよ今まで!?
……1ヶ月も……LINEも既読しないし!」



『──ごめん。
しばらく携帯を見られない所に居てさ。
会いにも行けなかった』


どうゆうこと………?
楓の孤児院で…何かあったの?


「楓、どこの孤児院に居るの!?
私なんどか探したのよ!?」


『───見つかるはずないよ』


「どうして……?!」




『俺、孤児院に居ないから』





─────え?



『お父さんもお母さんも居る』


───何言って…………。


『だけど家には住んでないんだ
あの時のは、そう言う意味』



「じゃ………じゃあ
どこに居るのよ!?」



『それは言えない』



「どうしてよ!!」



苛立ちからなのか、
思わず声を荒げた。



『──本当はさ、
何も言わず居なくなろうって
考えてたんだ』

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