死にたがりの私と 生きたがりの君
…………何、居なくなるって…………。
受話器の奥の楓は
少し息を切らしていて、
何かを急いでいるようだった。
『美桜、今から俺が言うこと
何も言わずによく聞いて』
「え…………?…」
『俺、美桜が好きだ』
………………っ!!
反射的に、一筋の涙が頬を横切った。
嬉しくて、たまらなかった。
その言葉を……待ってたんだよ。
だからね、私にも…………
伝えさせて。
「あのね、楓
私も…」
『でも、駄目なんだ』