死にたがりの私と 生きたがりの君
思わずそう呟いた。
「だって助けられてばっかだし……」
いつでもそう。
私は楓の笑顔に救われてばかり…。
だけど、私は…………。
「私………楓に何もしてやれてないのに…」
弱音を、後悔を、
口にする度に涙が溢れてしまう。
ユキは、何も言わずに
私に寄り添うように隣に座った。
出会った日の楓と私みたいに
肩を並べる。
「──そんなことないと思うで」
水面を見詰めたまま、
ユキが言った。
そして、鞄から何かを取り出した。
「美桜がひとりで泣いてたら渡せって
カエちゃんから預かった」
それはあの日、
二人で入ったお店の
香水だった。
「……………サンフラワー……?」
「"美桜は俺にとって
太陽みたいな存在だから"って」
太陽…………?
私が………………?
「"そしたらきっと、
美桜から光を貰って
美桜を想って目で追ってしまう俺は
向日葵だな"って笑っとったよ」