死にたがりの私と 生きたがりの君



「私を…………想って……?」



ユキは、優しく頷いた。



「カエちゃんの背負うとるもんは
ウチには取り払えんかった」




「ユキ…………」




「せやけど、美桜やったら…………
美桜やったらきっと
カエちゃんを救えるんやないかって………」




私は、"太陽"だから……………?




「二人が逢えなくなるなんて
やっぱ変や。間違っとる」



ユキは、意を決したように
瞼をぎゅっと瞑ると、
河原の向こう側の、
さらに奥を指差した。





いつも、楓が見詰めていた場所。







「美桜が死のうとしたのを
カエちゃんは何処から見つけたと思う?」





確かに、ここは橋の死角だし
よく考えたら、どうやって…………。




ユキが指差す先には、
背の高いビルが聳え立っている。






あそこに……………楓がいるの?






< 91 / 207 >

この作品をシェア

pagetop