死にたがりの私と 生きたがりの君

そんなの、決まってる。




「逢いたかったから
楓のことが好きだから」






そう、まっすぐに伝えた。
楓が私にくれた希望と、
優しさと、想いを
全部詰め込んだ。


誰にも譲れない想い。






「───ばかじゃねーの……」


楓はそう言いながら、
振り返る。



「気付いてたよ」




ブレることなく交差する瞳。

1ヶ月ぶりの笑顔。



どんなに痩せこけてしまっても、
どんなにその身体が
苦しめられていようと、

やっぱり楓は、
私の大好きな楓だった。


「──くそっ誰がバラしたんだよ………
まぁどーせユキちゃんとかだろーけど」


その笑顔は、
やっぱり何もかわっちゃいない。




「自意識過剰かもしんないけど………
俺、美桜が俺を好きになったら
可哀想だと思って………
早い内に居なくなろうと思った。
───けど、手遅れだったね
俺も、伝えちゃったし…………」




「───どうして、
好きになったら可哀想なの……?」




「あぁ………それはさ」

悲しげに俯く楓。






「俺にはもう時間がないから」









……………………え?


楓の言葉に、身体中が凍りついた。


ガクガクと唇が震える。

上手く言葉が弾き出せない。




「そ…………れって……まさか……」







「そのまさか。
俺、腎不全なんだ。
一年あれば良い方だって」










「一年……………………?」







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