雨と僕と私。
雨女と呼ばれた女の子。
『関東は
明日から梅雨入りになるでしょう。』

テレビから発する、
そんな声を全く聞く余裕もなく、
朝は時間がない。

『あー、もういや。
そもそもなんでこんな朝早くから、
仕事なの』

暑くなりそうな天気を窓から眺め、
胸下まである栗色の長い髪を１つに
まとめて朝から慌ただしく過ごしている。

私の名前は、

加藤八重❪やえ❫

こんな古臭い名前が昔から嫌いだ。
八重桜から名前をとっているらしいが、
嫌いな古臭い名前。

年齢は22歳になる。

昔からの夢だった、
インテリアコーディネーターになる為に
福岡から上京をしてきた。
無事に専門を終えて今は、
インテリアコーディネーターの夢を叶え、
仕事をしている。
まだまだ未熟者だけれども、
それなりに頑張っている。

『今日も朝ご飯食べてる暇ないか』

ため息を思いっきりつき、
玄関に向かい、
少しだけ高いヒールを履き、
ドアノブに手をかけた。

振り返りながら行ってきます。
返事は勿論返ってこない。
そして前を向き、
ゆっくりドアを閉め会社へと
向かった。
< 3 / 5 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop