その唇に魔法をかけて、
「友達だって思ってた美貴に隠し事されて、あの時は頭に血が上っちゃってさ……子供みたいだって自分でもわかってたけど……今までひどい態度とってごめん」
彩乃は俯きながら語尾を下げ、再び結ばれた友情にほんの少し照れ笑いを浮かべた。
「それにね、私、別に響兄ちゃんのこと特別な感情で好きっていうわけじゃないよ。私も美貴のこと友達だって思うから正直に言うけど……私、実はとっくにふられてるの。だから美貴と響兄ちゃんが仲良くしてるの見て嫉妬しちゃった」
「え……?」
彩乃の口から語られた意外な真実に思わず目を丸くした。この先の話を聞いてもいいものかと躊躇したが、彩乃は自分から続けて口を開いた。
「高校卒業した時にね、思い切って告白した。その時は好きな人がいるって言われてふられたんだけど……。あ、でも今はわからないよ? 四年も経ってるし、響兄ちゃんも今、彼女いないみたいだから、その時に好きって言ってた人とはだめになっちゃったんじゃないかなぁ」
美貴の顔色がさっと変わったのがわかって彩乃が慌ててフォローする。けれど、花城に好きな人がいたと聞いて、ショックを隠せなかった。
(花城さん、好きな人……いるんだ)
悪気があって言ったわけではないとわかっているが、一気に失恋のどん底へ突き落とされた気分になった。
彩乃は俯きながら語尾を下げ、再び結ばれた友情にほんの少し照れ笑いを浮かべた。
「それにね、私、別に響兄ちゃんのこと特別な感情で好きっていうわけじゃないよ。私も美貴のこと友達だって思うから正直に言うけど……私、実はとっくにふられてるの。だから美貴と響兄ちゃんが仲良くしてるの見て嫉妬しちゃった」
「え……?」
彩乃の口から語られた意外な真実に思わず目を丸くした。この先の話を聞いてもいいものかと躊躇したが、彩乃は自分から続けて口を開いた。
「高校卒業した時にね、思い切って告白した。その時は好きな人がいるって言われてふられたんだけど……。あ、でも今はわからないよ? 四年も経ってるし、響兄ちゃんも今、彼女いないみたいだから、その時に好きって言ってた人とはだめになっちゃったんじゃないかなぁ」
美貴の顔色がさっと変わったのがわかって彩乃が慌ててフォローする。けれど、花城に好きな人がいたと聞いて、ショックを隠せなかった。
(花城さん、好きな人……いるんだ)
悪気があって言ったわけではないとわかっているが、一気に失恋のどん底へ突き落とされた気分になった。