その唇に魔法をかけて、
先日、道場で花城の真摯な眼差しを見た時と同じように美貴の胸が高鳴り出す。仕事が終わった花城の髪は、初めて会った時と同様に髪を下ろしていて、長めの前髪の隙間から鋭く、それでいて優しい瞳が覗いている。僅かに微笑んでいる花城を見ると、意外に丸みを帯びた唇と柔らかな輪郭に気づく。
「さ、もう遅い、早く帰ってもう寝な」
花城の声に惚けていた目が冴えると、花城は美貴を置いて歩き出していた。そして、二人は再び車に乗り込んで美貴の寮へ向かった――。
「さ、もう遅い、早く帰ってもう寝な」
花城の声に惚けていた目が冴えると、花城は美貴を置いて歩き出していた。そして、二人は再び車に乗り込んで美貴の寮へ向かった――。