大きな河の流れるまちで〜番外編 虎太郎の逆襲〜
マンションについて、いつもの習慣通り、虎太郎は
「シャワー浴びたい。」と言うので、バスタオルを渡す。初めて入った部屋なのに、落ち着いたもんだ。
私は買ってきた物をてーブルの上に広げながら、考える。
「あやめー、シャンプーってこれしかないの?すげー、花の匂いするんだけど〜」と叫ぶ声がする。
「ありません!」あったらびっくりでしょう。
「しょーがねーな。ボディソープで洗っておくか。」とドアを閉める音がしたが、バッタンとまた、ドアを開けて、
「石鹸ないのー?なんで、ボディソープまで同じ匂いのやつなんだよ!」と怒る。私が
「手を洗う泡のタイプの薬用石鹸が洗面所にあるけど!」と言ったら、
「おお、これこれ。」とドアを閉めた。やれやれ、明日は日用品を揃えないとね。

口笛を吹きながら、戻ってきた虎太郎は、
「あやめも入って来る?」と聞く。私は
「虎太郎がお腹空いてるんなら、食べてからにしようかな」と言うと、虎太郎が、
「後からじゃ、入れないかもしれないけど?…」とにっこり私を見るので、私は赤くなって、バスルームに駆け込んだ。どーして、年下の虎太郎の方が余裕があるんだろう?私は頭からシャワーを浴びる。落ち着け、わたし。心臓がバクバク音を立てている。
シャワーを終えて、バスタオルで身体を拭いていると、
「もう、待てない。」と虎太郎がやって来る。慌てて、バスタオルで身体を隠すと、そのまま、抱き上げられる。
「ごっご飯は?」
「全部は冷蔵庫に入れた。」チョット、待って、
「髪が濡れてるの」…虎太郎チョット待って、
「もう待てない。ベットどっち?」うわー、本気?
「あやめ、床でしたいの?」…それは嫌。私は奥の部屋を指差した。声が出ない。
虎太郎は寝室に入り、ゆっくり私をベットに横たえた。ジッと私の顔を見ている。
「あやめ、怖いの?」私は首を横に振る。
「ぼくが嫌?」更に横に振る。
「緊張してる?」私はなんども頷く。
「ぼくも緊張してる。」虎太郎は私の手を自分の胸に当てさせ、
「ね。」と言った。鼓動がものすごく速い。
「でも、僕はあやめが欲しい。」と私の額に唇をつけた。私は虎太郎も緊張していることにホッとして、身体から力を抜く。
「私も、虎太郎が欲しい。」といって、目を閉じた。
虎太郎は激しくキスをしてくる。苦しく感じるのは、きっと、ドキドキしすぎているせい。虎太郎手が、私の身体の上を滑る度、身体の中側が熱くなる。胸の上に付けられる唇の感触で、おもわず、声が出る。虎太郎は何度も唇をつけて、私に声を上げさせる。身体が熱い。
虎太郎の手が私の足を開かせ、ゆっくり、指を使う。私の中が、ギュっと閉まる。
「あやめ、ちから抜いて。」虎太郎が耳元で囁いてから、唇に何度もキスをする。私は息を吐き、虎太郎の頭を抱く。虎太郎はゆっくり、頭を下げていき、往復させていた指を抜いてから、唇をつけた。私は初めての感触に背中を反らせ、声を上げる。何度もやって来る内側からの感覚はきっと、虎太郎を求めている。
「あやめ。」と虎太郎が囁く。私は頷いた。虎太郎私の腰をつかみ、ゆっくり進めて来る。よく聞く話のようにすごく痛い。それでも、私は虎太郎とひとつになりたかった。私の内側の深いところまでたどり着いて、虎太郎が息を吐く。しばらくジッとしていたけど、
「ちょっと、動いていいかな。もう、我慢の限界で。」とそっと耳元で聞いてくる。私はゆっくりと目を開いて、虎太郎を見つめて頷いた。
虎太郎はが、強く動き出す。はじめは、痛みが強かったけれど、違う感覚がせり上がってくる。私は声を上げながら虎太郎背中にしがみついて、もう、なんだかよく分からなくなった。虎太郎は私に何度もキスをしながら、リズミカルに動きの激しさを増す。そして、腰を強くひきつけ私を固く抱きしめて、声を上げ、動きを止めた。
虎太郎は身体の力を抜いて、私を抱きしめる。
「あやめ、すごく痛かった?」とこめかみにキスをする。私がそうでもない。と笑うと、汗の流れる頬をくっつけ、
「いっぱいしたい」と微笑んだ。


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