夏時計


夏目 禅(ナツメ ゼン)

中学3年生、15歳になったばかり。



世間一般で言う、
『受験生』ってのを迎えた僕は毎日にうんざりしてた。

勿論、この暑さにも。


だけど、僕がうんざりしてるのはそれだけじゃない。


『受験生』って枠にはめられる事。

親はバカの一つ覚えみたいに『勉強』と言う。

学校に行けば、親の圧力に負けたクラスメイトが目の色を変えて教科書を睨み付ける。

広がってゆく緊張感。



その他全てに、僕は苛々してた。

僕たちはまだ子供で
『将来』なんて見えていなかった。



なのに大人は僕たちを
『常識ある大人』にしようと必死で。


バカみたいに繰り返される塾と家の往復。

夏季講習なんて、ぶっちゃけ行きたくない。



だけど行かざる得ないのは、僕が『受験生』だから。




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